ポルノ懺悔録3.0 月刊Cream

前回の繰り返しになるが、僕の通っていた高校は学級文庫という慣わしにより、特定のグループ内で示し合わせたかのように違うエロ雑誌を購入して持ち寄る文化があった。毎月リリースされるさまざまなエロ本を網羅するための互助会が自然に形成されるのである。僕の所属(?)していた互助会は漫画とかロリものを好んで買う連中が多く、素人投稿系の雑誌ばかり収集していたグループと戦利品を見せあってはお互いのことを「ド変態」と罵り合っていた。牧歌的な時代である。

さて、そんな一方僕は自分の性欲と現実の折り合いを付けることに苦慮するようになっていた。性的嗜好は生まれつきのものなのか学習されたものなのか、という問題である。

 

気がつけば僕は漫画ロリコングループに所属しており、そこでコミックドルフィン誌の購入担当であった。この辺りの事情は入り組んでいる。僕はこのグループのメンバーと非常に馬が合い、エロ本の融通以上にただ所属することに居心地の良さを感じていたという側面もあるが、いわゆる縦筋一本で描かれた女性器に酷く執心していたという側面もある。今となっては笑い話以外の何物でもないが、普通にキモい少年である。

結局のところ、身近に女の子が居ない10代という問題は重要で隔絶された中で僕と仲間たちはイメージの中の「少女」を渇望することになった。一人でも同い年の女友達がいれば、このようなことにはならなかったのだろう。しかし仲間たちはこの問題を楽観視していて「高校出れば彼女くらい出来る」とか「二次元の女の子の方が可愛い」とか「小学生レイプしてー!」とか言って掘り下げて考えるようなことはしなかった。

 

ただ、僕はこの問題を深刻に考えていた。このまま現実を直視しないまま歳を取ればどうなってしまうのかと悩んだ。どうしても同学年の女の子の生態が知りたく、毎月クリーム誌を買っては悶々とする日々が続いた。当時のクリーム誌は謎の位置づけで、ブルセラ雑誌でも無くアイドル雑誌でもないという微妙な編集方針が僕の心を揺さぶった。乳首や陰毛の露出はほとんどない。せいぜいパンチラが良いところだ。垢抜けているんだかどうだか微妙な感じモデルの制服・スク水・ブルマ姿がポエムまじりに紙面を飾るという、思い出すだけでも赤面ものである。

僕の友人は「裸が全然ない。こんなのじゃ抜けないよ!」とクリーム誌を購入する僕をしばしば面罵し無能扱いした。十代の憧憬は、だいたいお互いが別の方向を向いているものである。

僕はクリーム誌のモデルのパンチラを眺めては、その先にある女性器に思いを馳せつつも未来を恐れた。大人になれば女性器なんていくらでも見られるしSEXだって出来ると仲間は言うが、僕は大人にはなりたくなかった

 

…当時一番好きだったモデルは谷口ともみ。大学に行けば、こんな感じの彼女ができるかなと夢想したが、現実にはこれほど器量の良い女の子はなかなかお目にかかれるものでは無い。僕はそんなことも知らず、そんなことを想像無いほどアホだったということだ。

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